2002年1月23日 北欧レコード買付日誌(スウェーデン編)③ ~ レコードディーラ宅を訪問。店舗型自宅内レコード倉庫
1月23日
疲れ果てていたが気合で飛び起きて、宿泊費の元を取る為、昨日に引き続きこれでもか!と言うほど朝食を食べる。
8時50分の電車に乗ってS氏の家の有る駅へ1時間弱程かけて到着。
駅では彼が待っていてくれて、彼の親父さんの運転するVolvoに乗り込む。
車中でS氏が「トォモォー(筆者の名前)、昨日は何枚買った?」と聞いてくるから「詳しくは数えてないけど、全部含めると500枚近くは買った筈だよ」と答えると、ニターっと笑って「俺はあの後友達から400枚も買っちゃったよー。重かったぜー。」と言うではないか。
昨日別れた後、一体彼は何をしてたのだろうかと笑ってしまった。
彼の家は3LDK程度だが広くゆったりしたアパートで、ガールフレンドと彼女の子供2人と住んでいるそうだ。
早速彼が用意してくれた7”シングルを漁る。
昔は店を持っていたが、今は店を閉めてディーラー業だけをしておりメイン分野はパンクとのこと。
準備してもらっていたブツは量こそ充実しているものの、メタル/ハードロック系はスラッシュやデスメタル系統が多く、今ひとつ当方には重過ぎたので、他には無いのかと尋ねたところ、「付いて来い」と言われ地下の倉庫へと連れて行かれた。
そこは大体20畳程度だろうか、まるで店舗のように綺麗に大量のレコードが並べられており、すぐここで開業出来そうだった。
昔の店で使っていた道具全てをそっくりそのまま置いてあるそうだ。レコード収集家にとっては夢のような部屋で、ロマンに浸りながら漁り続け、枚数も膨らみ結構な金額をハタくことになってしまった。
全体的に少々値段は高かったが、レア物が多く、文句は言えまい。
地下倉庫から出る時に、レコードが重くて床が歪んでしまっているのか、建て付けが悪かったのか、ドアが全く閉まらなくなり、どうするのかと思ったら、S氏がおもむろにドアを何回も「ドカァーン、ドカァーン」と轟音を立てながら蹴り倒して何とか閉めている姿が印象的だった。
帰り道はS氏が駅まで見送ってくれて、何故かS氏の彼女のお母さんも合流し、談笑しながら駅へと歩いて行く。
ホテル代が9000円もして、風呂もトイレも洗面台も無いと言ったら二人とも驚愕していた。
どうやらスウェーデン人でも変だと思うような部屋だったらしい。
午後は当初泊まる予定だったホテルに宿を変わらねばならないので早々にホテルに戻り、荷物をまとめチェックアウト。
その後ホテルの狭いロビーに荷物を全部を運び出し、昨日廻った一軒目の店でもらったダンボールにLPを詰め込む。
隅っこのほうでゴソゴソと荷物をいっぱいダンボールに詰め込んでいるものだから、受付のお姉様が「備品を盗んでいるのではなかろうか」的な視線でこちらをチェックしていたのが悲しかった・・・。
やっぱり悪魔だ。
梱包したダンボールをカートに括りつけ、郵便局へ行く事、複数回。
かなりの重さで体力も消耗すれば、送料も目玉が飛び出るほど払う。
1回目では1箱に詰められる重さがオーバーして、郵便局内の片隅でレコードの詰め替え作業をする羽目になり、そこでも周りから「レコードいっぱい出して何してるんだ」と視線を浴びまくる。
大量のレコード達を日本へ旅立たせ、すっきりと身も軽く色々と世話になったQUEEN'S HOTELに別れを告げ、意気軒昂と当初泊まる予定だったホテルへ移動。
ホテル前で待っててくれたオーナーさんと落ちあい、無事チェックイン!
オーナーさんが謝ることしきりで、なんでも単純な勘違いだったとか・・・。
レンタル・ルームなので、ベッド・メーキングも食事もサービスは無いが、その分気楽だし、風呂もトイレもキッチンも有るのでかなり快適だ。
一泊の値段も前のホテルの半分以下だ!
ここでやっと3日振りのシャワーを浴びる。
夕飯はGlobenで買ったマクドのハンバーガーとビール1リットル。
食事をとりながらテレビを付け、明日の予定を確認するも、部屋に目覚まし時計が無いことに気づく。
果たして明朝時間通りに起きられるか甚だ不安だ。
救いようがないほど朝起きることが出来ない筆者にとっては痛恨の事態なのである。
アラーム機能の有る腕時計を持ってくれば良かったと後悔したが、疲れからかすぐに意識混濁状態となり、まぁ何とかなるだろうと甘い考えを抱きつつ深い眠りへと落ちたのでした。
窓から見た風景(写り悪し)と部屋の中です。
↓ホテル近くの風景
追記)何だかQueen's Hotelがボッタクリかのような文章になってますが、別にそういうわけではなく、たまたま筆者が宿泊した部屋がイマイチだっただけだと思います。朝食も美味しかったし、部屋自体は綺麗でしたし、立地も中央駅近くで抜群ですし、資金に多少余裕があればオススメですよ。
レコード収集家の皆様、初対面の人の家にレコードで釣られて札束持って乗り込むのは危ないので真似しないで下さいね。(2011/4/25)
・・・続く