ニール・ハービソンのプレゼンとか色々
スタッフの河野です。
数週間前のことですが、テレビで面白い内容をやっていました。
NHKのスーパープレゼンテーションという番組での、ニール・ハービソン/Neil Harbisson という方のプレゼンです。
適当にチャンネルを換えていた時に偶然発見したので、最後の10分位しか観ることが出来なかったんですが。
ちゃんと番組表チェックしとけば面白そうなの見逃さないのになぁ、と当たり前のことですが、いつも思います。
いつも色々と見逃して残念なことが多々有ります。
しかしプレゼンの全容は番組サイトのPAST PROGRAMのページから見ることができました。
しかもスクリプトまで有って、勉強になります。
どういう内容だったかといいますとね。
タイトルは I listen to color
彼は生まれつき色盲で目に見える世界はすべて白黒なのですが、色を音に変換して伝えるアイボーグという名の装置を頭につけ、色を聴いて認識しているのだそうです。
装置が色の周波数を感知し、それぞれの色で異なった電子音が流れるという仕組みです。
スピーチの中で、自分は装置と一体となり、感覚が拡張され、サイボーグになったかのようだ、とありました。
サイボーグなんて聞くと何かコワイというイメージが私はあるんですけれども。
しかしこの人のように使いこなせると面白いですよね。
まずは、それぞれの音が示す色の名前を覚えなければならなかったそうですが、すぐに直感で、考えずとも分かるようになり、今では360色認識できるそうです。
アイボーグは色→音に変換するものですが、この方はさらに自分の頭で音→色への変換も出来るようになり、音楽や人の声などを色で表した絵を描き、アーティスト活動なんかもされているようです。
装置を使い始めて8年とありましたが、たった8年の間に、この装置を使いこなすまでの努力もあり、新たな能力も身につけ、そしてそれにより新しい活動も始めるなんて、何か物凄い進化を遂げています。
これを聞いて思い出したのが、この本。
ダニエル・タメット/Daniel Tammet という方の自伝です。
この方はアスペルガー症候群とサヴァン症候群で、共感覚の持ち主という方なんですが、今回思い出したのはこの共感覚というやつですね。
彼の誕生日である1979年1月31日水曜日というのは彼にとっては青色なんだそうです。
どういうことかといいますと、この方は数字に対して色、形、手触りなどの質感を感じるそうなんですね。
その為、数字それぞれに個性を感じ、それによって膨大な量の数字の暗記や計算が出来、さらに何ヶ国語もの言語を習得していることでも有名です。
ダニエル・タメットさんのほうは生まれつき持ち合せた感覚で、今回のニール・ハービソンさんのは装置を使い訓練することによって得た感覚ですが、すごく似ているなと思いました。
共感覚のように生まれつき備わっているもの、それに近い感覚を人工的に身につけることが出来たなんて凄く不思議だと感じました。
しかしどれだけ大量の情報を同時に処理しているんだろうと思います。
常にその電子音を聞きつつ、耳から入ってくる周りの音も有るわけですからね。
例えば音楽を聴いたりしながら、常に色の識別も出来るのだろうか、とか色々気になります。
数回このプレゼンの映像を見たのですが、繰り返し見てもまだ飽きないです。
話の内容に興味があるというのもありますが、この人のユーモアだったりアイディアは面白くて、何か惹きこまれます。